Bonjour 皆さん!
いよいよシーズン8の幕開けです。
いきなり大画面で登場したこの塔は東京タワーではなく、もちろんエッフェル塔。今シーズンのフランス買い付け紀行はパリから始まります。
パリとは2シーズンご縁がありませんでした。前々シーズンはルフトハンザ、前シーズンはKLMの便で渡仏しましたので、パリCDG空港のトランスファーも無し。
パリにかすりもしないフランス買い付けが続いたため、パリ・イズ・エブリシングな奥様のフラストレーションは沸点間近。私にもパリに住む高齢の叔母に会いたいという事情があり、パリからプロヴァンスに入る旅程を組みました。
前回のパリ訪問は実質2泊1日というタイトなスケジュール。さすがにそれでは滞在時間が短すぎましたので、今回は3泊します。とはいえ、夜パリに到着し3日目の朝に出発しますので、活動できる時間は実質2日間。一刻も無駄にはできません。
今回は味気ないホテル滞在を避けて、ショートステイ用のアパルトマンをレンタルしました。このところ賑やかになってきた北マレ地区から歩いて数分という魅力的なロケーションです。
まず道路に面している巨大なアイアンゲートを開けて中庭へ。
部屋は一階にありますので、中庭からそのままドアを開けて入室します。
![美しくライティングされたパリのアパルトマン。モダンとレトロが融合した素晴らしいインテリアデザイン。](https://www.france-antique.com/wp-content/uploads/2022/02/49-32.jpg)
センス良いライティングに浮かび上がる部屋のインテリアは、モダンとレトロがほどよく融合した、まさに現在フランスで主流のテイスト。
ミラー扉のワードローブ、壁にかけられた版画や今どきな一人がけソファーなど、多くのインテリアパーツは尖ったモダンスタイルです。什器類だけに着目すると少し冷たいイメージになりそうですね。
その冷たさを和らげているのが2パターンのヴィンテージストーンで構成されるベッド後ろの壁。部屋に豊かな個性と暖かみを与えてくれます。この絶妙なバランスには脱帽するほかありません。
主寝室の天井は細めの梁見せスタイル。あ、主寝室という表現を使いましたが、ここはステュディオ、つまりワンルームのアパルトマンです。
![レトロな風合いのある梁見せ天井](https://www.france-antique.com/wp-content/uploads/2022/02/49-8.jpg)
洗面&シャワールームを見てみましょう。
![赤と白のチェック柄の洗面+シャワールーム。](https://www.france-antique.com/wp-content/uploads/2022/02/49-9.jpg)
こちらはミッドセンチュリーモダンというやつですね。
多様な要素を違和感なく取り込んだインテリアは素晴らしいの一言。一つ一つの什器は決して高級なものではありませんが、トータルなイメージは嫌みの無い高級感にあふれています。あっぱれ!
そういえばこの部屋にはもう一つフランスらしい要素がありました。
![アパルトマン壁のコンセント三種。てんでんばらばら斜めに施工されている。](https://www.france-antique.com/wp-content/uploads/2022/02/49-7.jpg)
毎度のことで慣れました。水平器が無いとしか思えない国、これも「フランスあるある」なお部屋風景。水平器が無くても、普通は目で見て判りますけどね。
時差も飛行機疲れもありますので、さっさとベッドに入って明日に備えましょう。素敵なお部屋で良い夢を見ることが出来そうです。
一夜明けたパリ初日はご近所のマレ地区散策からスタート。
まずはイマドキな商品が多いデパートBHVに行き、インテリアやDIY用品をチェック。
![パリのデパートBHVのDIYコーナーに展示されているドアノブコーナーパート1。驚くほど数が多い。](https://www.france-antique.com/wp-content/uploads/2022/02/49-4.jpg)
![パリのデパートBHVのDIYコーナーに展示されているドアノブコーナーパート2。驚くほど数が多い。](https://www.france-antique.com/wp-content/uploads/2022/02/49-5.jpg)
ドアノブだけでこの数。圧倒的な数の品揃えですね。。。
近くにシャワーヘッドコーナーがありました。
![パリのデパートBHVのシャワーヘッド販売コーナー。無数とも言える種類のシャワーヘッドが売られている。](https://www.france-antique.com/wp-content/uploads/2022/02/49-3.jpg)
こちらも驚くべき品揃え。ここはデパートで、ホームセンターではありません。というか、日本ではホームセンターでもこれだけ多種多様な品が並んでいるところは無いでしょう。
また、ドアノブもシャワーヘッドも一般の方向けの普及品で、専門店に置いてあるようなプロ、施工者向けのものではありません。それでこの多様な品揃えですから、フランス人のこだわり恐るべし!
日本にもこれだけの選択肢があればいいのに、と羨ましくなります。フランスの個性を大事にするマインドがインテリアに限らずファッションその他いろいろな分野で優れたデザインを生み出すのでしょう。
まだまだ熱く語りたいことがたくさんあるのですが、暴走しそうなのでこの辺りで止めておきます。
BHVを出てボージュ広場へ。
![パリのヴォージュ広場。葉が落ちかかった大きな木の向こうにお馴染みのレンガ色の建物が見える。](https://www.france-antique.com/wp-content/uploads/2022/02/49-19.jpg)
マレを訪れると、吸い寄せられるようにヴォージュ広場に足が向かいます。なぜかここに来るとパリに来たぞ感にどっぷり浸かることができるのです。特段工夫することなく絵になる写真を撮ることが出来るのもボージュ広場の良いところ。
しばらくパッサージュを歩き、その後昼食に向かいました。
本日のお目当ては大好きなサロン・ド・テ”LE LOIR DANS LA THÉIÈRE“です。老舗のカフェビストロ”Les Philosophes”とどちらにするか迷ったのですが、夕食に少しヘビーなものを食べる予定がありましたので、ライトなランチを食べることが出来るこの店を選びました。
“LE LOIR DANS LA THÉIÈRE”は「ティーポットの中のヤマネ(眠りネズミ)」という意味。不思議の国のアリスの一章「狂ったお茶会」に登場するヤマネのことらしいです。
![パリのマレ地区にあるカフェ"LE LOIR DANS LA THÉIÈRE"](https://www.france-antique.com/wp-content/uploads/2022/02/49-17.jpg)
この店が好きな理由は二つ。雑然としていながらもなぜか落ち着くインテリアと、種類が豊富で美味しいタルトです。
12時頃には満席になり行列もできる超人気店ですので、できるだけ早めに入店するのがお勧め。
この日は当店のラインナップにもよく登場するアンティーククラブソファーが丸テーブルを囲む席を選びました。
ランチのメインはありきたりなビジュアルのオムレツでしたので写真はスルー、いきなりデザートのタルトにいきましょう。
12時を過ぎると店の中央にあるカウンターに焼きあがったタルトが少しずつ並び始めます。
![パリのマレ地区にあるカフェ"LE LOIR DANS LA THÉIÈRE"のカウンターに並べられたタルト。10種類はある。](https://www.france-antique.com/wp-content/uploads/2022/02/49-15.jpg)
これだけ美味しそうなタルトが並ぶと、どれを選んでよいのか悩みますよね。私のイチオシはレモンメレンゲタルト。この店で圧倒的な人気を誇るタルトです。美味しいだけでなく、とにかく巨大!
![パリのマレ地区にあるカフェ"LE LOIR DANS LA THÉIÈRE"のレモンメレンゲタルト](https://www.france-antique.com/wp-content/uploads/2022/02/49-35.jpg)
食べかけのものを撮影してしまったため、いま一つ大きさが伝わりません。過去にこの店で撮影した手つかずバージョンの写真もアップしておきましょう。
![パリのマレ地区にあるカフェ"LE LOIR DANS LA THÉIÈRE"のレモンメレンゲタルト](https://www.france-antique.com/wp-content/uploads/2022/02/49-34.jpg)
まるで氷河のような迫力ですね。。。あまりにも大きく、完食したことがありません。このタルト一つで一日分のカロリーを摂取できそうです。
食後はメトロに乗って叔母のアパルトマンへ。
叔母のアパルトマンはパリ15区のメトロCharles-Michel駅から徒歩5分くらい場所にあります。仲良しのイトコ達(4人!)と遊ぶために子供のころ何度も通った懐かしのアパルトマンなのです。
この一帯は、セーヌ川沿いの倉庫街を再開発したエリアで、もともとパリらしい雰囲気があまり感じられない場所。叔母のアパルトマンを出てから近隣を歩いてみると、やたら近代的な外観のショッピングモールなども建っていて、パリらしさがさらに希薄になっていました。
セーヌ川まで歩いて振り返ると、高層ビルが立ち並ぶ風景が見えます。パリであることがわかるアイコンはエッフェル塔くらいのものですね。
![パリ15区のメトロCharles-Michel駅の近くの風景。パリらしからぬ高層ビルが立ち並んでいる。](https://www.france-antique.com/wp-content/uploads/2022/02/49-23.jpg)
パリには歴史的建造物保護のための厳しい規制があり、基本的に高層ビルを建てることができません。あの有名な超高層ビル街「ラ・デファンス」がパリ市内ではなく郊外に作られているのも、そのため。
この辺りは倉庫街の再開発地区という特殊な背景があるため、高層ビルの建設が許可されました。エッフェル塔と高層ビルの組み合わせは、かなりレアな風景なのです。
視線をセーヌ川方面に戻すと、川の向こう側に超高級エリアとして名をはせる16区が見えます。古き良きパリの風景はやはり美しい。
![セーヌ川をはさんで向こう岸に見えるパリ16区の建物。](https://www.france-antique.com/wp-content/uploads/2022/02/49-22.jpg)
モダンとレトロが混在する、少し不思議なエリアをご紹介しました。
まだまだパリの話は尽きないのですが、キリがありませんね。夕食を食べた店のファサードをアップしてキーボードをたたむことにしましょう。
![パリのレストラン”Le comptoir de la gastronomie"のファサード。](https://www.france-antique.com/wp-content/uploads/2022/02/49-20.jpg)
それではまた近いうちにお会いしましょう、à bientôt !
Raphaël