長い旅程完了 – フランスに安く行く方法

Bonjour 皆さん!

長い旅が終わり、昨日ようやくプロヴァンスに到着しました。

今回のフランス買い付け期間は、ざっくり9月初旬から下旬まで。この時期はフランスの観光地にとって夏休み・バカンスシーズンに次ぐ繁忙期です。日本⇔フランス間もまだまだ人の動きが多いですし、フランス国内でも観光地へ行かれる方はたくさんいらっしゃいます。リタイヤされた方々や自由に休みを取ることができる方々は、混雑する7月・8月を避けて夏の終わりに旅行に出かけるのです。特に南仏・プロヴァンスはまだまだ夏!と言ってもいい季節ですので、この時期はとても人気のある旅行先となっています。

国内・海外を問わず、旅をする人が多い時期は交通費や宿泊費が高騰します。為替に関連して「フランス買い付け紀行、来週スタートします」で買い付け費用について少し触れましたが、フランス買い付けにかかる費用として、買い付けアンティークの商品代金、輸送費(輸送、梱包、関税)、航空券代、宿泊費、レンタカー代、ガソリン代、高速代などがあります。現地ではもちろん飲食費もかかりますが、法人税務上の経費には計上しません。

費用が高いものベスト4は、1.商品代金 > 2.輸送費 > 3.航空券代 > 4.宿泊費です。このうち商品代金と輸送費については、予算を設定し買い付け量などを調整することでコントロール可能です。為替の影響は不可避なのですが、これは輸入ビジネスの宿命で、買い付け量を調整する以外対処のしようがありません。

問題は航空券代と宿泊費。先ほどご説明した通り、季節要因により大きく変動します。旅費が安い時期に買い付けに行けば?と言われそうですが、今回の買い付けもそうであるように、適正な在庫を維持するためにそうも行かないケースがあるのです。

経費が高くなるとビジネスが成り立ちません。旅費が高い時期に買い付け行きましたので、しばらくアンティークの価格高くなりますご了承ください、ではみなさん納得されませんよね(汗)ではどうするか、話は単純です。いつもと同じ環境での買い付けはできません。買い付けそのものに影響しない範囲でいろいろ我慢しましょう、航空便と滞在先を見直しましょう。

滞在先については、超低価格のコンドミニアムを前回から利用しています。今回も再び同じ施設を利用することにしましたが、一部屋減らしたさらに安いプランを選択しました。買い付けた商品をマメに倉庫に運ぶこととし、商品一時保管用の部屋が無くても済むようにしたのです。これ以上費用を落とすには車中泊をするくらいしかありません。道の駅が無いので難しそうです。

次のターゲットは飛行機代です。この時期、パリ直行便やヨーロッパの都市経由の航空便など贅沢の極みです。エールフランス、JAL、ANA、KLM、ルフトハンザは今や高根の花。


ということで、じゃじゃーん、初のタイ国際航空!
レベルが低く安いということではありませんよ。タイ国際航空のフランス行きフライトはバンコク経由のためルートが長く、その分運賃が安くなっているのです。なぜ乗り換えが多くルートが長いと航空運賃が安くなるのか、ということに関してはまたいずれお話します。

成田→バンコクまでジャンボジェットで6時間、バンコクで2時間待機の後、エアバス380でパリまで11時間。今回は飛行時間だけで約17時間、バンコクの待機時間を含めると、約19時間かかったことになります。直行便の場合、成田からパリまで13時間弱で行くことができますので、19マイナス13=約6時間のロスです。長い旅程にはなりましたが、同じ日程のヨーロッパ直行便に比べ60%くらいの価格でした。エコノミーとはいえ航空券代は大変高価ですので、40%も節約できるのはありがたい!

このように、ある程度日程に余裕がある場合は、遠回りしてフランスに行きましょう。バンコク経由のタイ国際航空だけではなく、ドバイやドーハを経由するエミレーツ航空やカタール航空が格安で有名です。その他、トルコ・イスタンブール経由のターキッシュエアラインなどもあります。格安航空券検索・予約サイトなどで探してみてください。

大穴狙いとして、期日が近づいた激安売れ残ツアーを探す、というのがあります。トラベルコなど、ツアーを扱っているサイトを日々チェック!日程を選べないという大きな難点はありますが、私の知り合いに3泊5日宿泊費込み7万5千円でパリに行ってきたツワモノがいます。

当店の旅程に話を戻します。成田午前発の便に乗る場合は交通渋滞などのリスクを考慮して空港近くのホテルに前泊するのを常としていますが、今回は夕方に成田を出る便でしたので、前泊せずに軽井沢から直接空港に行きました。先ほどお伝えした成田からパリまでの19時間の旅程に、軽井沢→成田(車運転)・パリ乗り継ぎ待ち(5時間)・パリ→マルセイユ(飛行機)・マルセイユ→プロヴァンスの滞在先(車運転)が加わります。宿泊無しの旅程ですから、けっこうきついですね。

初めて乗るタイ国際航空ですが、イメージカラーであるシックな紫色で統一された機内はとても美しく、大変快適でした。
※下の写真はバンコク→パリで乗ったエアバス380の機内です。

収納棚が夜間照明に照らされている美しいタイ国際航空の機内。

成田→バンコクは6時間のフライトだったのですが、しっかり食事が出ました。

タイ国際航空の座席のTVで見る機内食の案内
タイ国際航空の機内食

選んだメニューはもちろんタイ料理。機内食のお供は、いつも選ぶ赤ワインではなくタイのSinghaビールにしました。日本でもタイ料理屋さんなどで飲むことがあります、美味しいですよ。

機内食のお供、SINGHAビールの缶

中継地のバンコク・スワンナプーム国際空港も、異国情緒溢れるエキサイティングな空港でした。とにかく広い!旅客ターミナルの面積は、世界トップクラスの広さだそうです。スワンナプーム国際空港は今や世界中から人が集まるアジアのハブ空港となっています。凄まじい勢いで発展してきたタイの底力を見せつけられたように感じました。

成田も、もう少しどうにかならないでしょうか。海外から帰ってくると、地味で小さな空港を見て少しがっかりしてしまいます。海外に比べてトイレだけは綺麗なのですが、もう少し日本らしさを感じさせるインパクトが欲しいところです。

スワンナプーム国際空港の旅客ターミナルは4階建てです(1階はタクシー・エアポートバス・シャトルバスの乗り場)。各所に下層フロアーが見える窓付き天井があり、広さだけでなく高さも体感することができる構造になっています。

上から見たバンコク・スワンナプーム国際空港の旅客ターミナル

タイらしさが感じられるのもこの空港の素晴らしいところ。乳海攪拌(ヒンドゥー教の天地創造神話)を表現した彫刻が圧巻でした。

タイは国民の90%が仏教を信仰している仏教国です。ただし、他の東南アジアの国々同様、古来よりインドと盛んに交易を行ってきた歴史があり、インド文化が色濃く残っています。多くの国民がヒンドゥーの神々を崇拝しており、バンコクの至るところにある仏教寺院などでもその神像や祠を見ることができるそうです。

売店の上にもタイの寺院をイメージした美しい屋根が設置されています。

スワンナプーム国際空港内にある売店の屋根

たくさんある土産物店もタイ情緒たっぷり。

土産物店に置かれている仏塔をイメージした金の冠を被った像
象の像がたくさん置いてあるスワンナプーム国際空港の土産物店。

さて、ここでクイズです。次の売店で売っているものは何でしょう?

ツバメの巣を売っている売店

答えは「ツバメの巣」です!ってしっかり書いてありますね。最初はお菓子かと思いました。”bird nest”と書いてあるPOPが無ければ、よほど馴染みのある方でない限りツバメの巣だとはわからないでしょう。

なぜ中華料理の食材がタイの空港で大々的に売られているのでしょう?先ほど調べてみたところ、ツバメの巣の産地はほとんどが東南アジア諸国。タイも産地の一つで、ツバメの巣ビジネスが盛んなようです。缶入りのツバメの巣ジュースなるものも普通に売られているとのことですが、どのような味なのか興味のあるところです。

スワンナプーム国際空港での待機時間は約2時間。移動や次の便への搭乗などにもそれなりに時間がかかりますので、ゆっくりできる時間は限られていました。美味しそうなタイ料理レストランもいくつか見かけましたし、空港を楽しむ目的だけでも再度この路線を使ってみたいと思うほど魅力的な空間でした。このように旅行客を惹きつける魅力もハブ空港化する源泉の一つなのでしょう。成田、羽田、頑張れ!

バンコクから11時間、パリの灯が見えてきました。早朝5時過ぎですが、街はもう目を覚ましています。

飛行機の中から見るパリの夜景

10数分後、美しい朝焼けに染まるシャルルドゴール空港に無事着陸。

マルセイユ行きの便に乗るまで5時間ほど時間があります。出発ゲートで座って待機するには長すぎる時間です。とりあえず空港内を散策していたところ、ラデュレ(“Ladurée”)のサロンドテを発見。奥様は大のラデュレファンで、パリ滞在中は何店舗かあるラデュレのサロンドテを必ず訪れます。

シャルルドゴール空港内のラデュレ

もちろん店を見るや否や「朝食を食べに行く!」とおっしゃいました。さんざん機内食を食べてきたんですけどね。。。ここで行かないと一生うらみつらみを言われて残り人生のQOLが下がることになりそうですので、否応なく入店。私は紅茶だけにしましたが、奥様は大好きなパンペルデュ(”Pain perdu”)=フレンチトーストをオーダー。本場フランスでは、多くの場合、食パンではなくバゲットで作ります。ラデュレのような高級店では、ブリオッシュを使うこともあります。

“Pain perdu”の日本語訳は「失われたパン」。フレンチトーストは、もともとは食べ残しの硬くなったパンを柔らかく戻してを調理したものです。本来であれば捨てられ失われてしまっていたパンを利用しているため、「失われたパン」という名前がつきました。

ラデュレのパンペルデュ(フレンチトースト)

シャルルドゴール空港での長い待機時間も終わり、ようやく最後のフライトです。約1時間半でマルセイユ・プロヴァンス空港に到着!おなじみの石灰岩の白い崖を見て、長い旅路がようやく終わった安堵感と懐かしさで涙が出そうになりました。

マルセイユ・プロヴァンス空港

前回、車長の長いバンを借りて苦労しましたので、今回の買い付けパートナーは普通サイズです。

買い付けに使うレンタカーのバン

そういえば前回買い付けの投稿「雪のプロヴァンス」でレンタカーのキズの修理代についてお話しましたが、その後日談です。やはり自己負担額上限の請求書が届きました。修理代は総請求額の約半分、別な表現ではレンタカー代が本来の額の倍になったということです(汗)

請求金額は60プラス460.10。残念ながら円ではなくユーロです。実際にかかったであろう修理代よりはかなり安いはずなので、良しとしましょう。

南仏の高速道路

眠い目をこすりながら1時間ほど高速を飛ばして、ようやく最終目的地のコンドミニアムに到着。まる2日近くまともに寝ていませんので、とりあえず一晩ゆっくり休息して明日から買い付け頑張ります。

それではまた、à bientôt !

Raphaël

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