買い付けも終盤に

Bonjour 皆さん!

アンティーク買い付けもいよいよ終盤に差し掛かってきました。先々月の買い付けでストックした商品がコンテナの半量近くありますので余裕のよっちゃんです。と、ほぼ滅んだ昭和ギャグでスタート。

アンティーク業を始めた頃から永きに渡り探していた品にようやく出会うことができました!

巨大な壁かけアンティーク時計

長年渇望しながらもなかなか入手することができなかった大きなアンティーク壁掛け時計。さすがに動力部は残っていませんが、見てくださいこの圧倒的な存在感!

テーブルやチェアーなどの家具はほぼ全ての家で使用されるものですから、それなりの数がアンティークマーケットに流れてきます。それに比べて制作数が少ないビッグサイズ壁掛け時計は流通量も極端に少なく、めったに見かけることがありません。

フェアーなどでまれに遭遇することはあっても、価格が高すぎたり、通常のコンテナには積めないほどのメガビッグサイズだったりと、なかなかご縁がありませんでした。神様が私の手に渡ることを阻止しているのではないかと思えてしまったほどです。

ようやく買い付けることが出来て大満足!いまだに手に入れた時の感動の余韻に浸っています。求めよさらば与えられん、あきらめずに待っていればいつかは望みがかなうものですね。

現時点では商品として販売するかどうか決めかねています。コンテナが日本に到着し、荷解きしてから現物の前でじっくり考えることとしましょう。

話題変わりますが、まだポーターの方々をご紹介していませんでしたね。前シーズンからさんざんポーター活用のお話をしておきながら、遅くなってしまいました。

ポーターの方々には以下の作業を担当してもらっています。

担当作業
  • プロ向けアンティークフェアーでの買い付け商品ピックアップ
  • 契約倉庫までの運搬
  • 倉庫内所定位置への荷下ろし

整理すると「プロ向けアンティークフェアーの各売り場から契約倉庫内まで買い付けた商品を運んでもらう」です。わざわざリストにするまでも無いですね、はい。

おかげさまでアンティークフェアーの買い付けがとてつもなく楽になりました。当然のことながら、それなりのコストはかかります。しかし、それはフェアーでフルタイム買い付けに集中できるというメリットを相殺してしまうほどのデメリットではありません。

これまでのフェアー買い付けでは終了時間の1時間半くらい前から商品をピックアップしていましたので、ポーター活用により買い付け時間が1時間半増えたということです。

あらためて考えてみると、過去の買い付けでは4時間という貴重な買い付けタイムのうち、なんと40%近くもの時間をピックアップに費やしていた訳ですね、ありえない。。。

ポーターの方に手伝っていただくというのは、元々腰痛悪化を回避するための苦肉の策でした。実行に移してみると、その効果はプラマイゼロどころかプラマイかなりプラスという嬉しい結果。ピンチをチャンスに変える、と言ったら少し大げさかもしれませんが、そんな感じです。

じゃじゃーん、それではポーターの皆様ご登場ください!

契約倉庫でポーターの方々と撮った記念写真。私ラファエルと3人のポーターたち。

向かって右から二人が実働部隊で、私の横の青年Antoninは営業、事務担当。Antoninは商品チェックなどのために同行してきたようです。一応荷下ろしを手伝おうをとはするのですが、腰がフラフラして商品を落としかねない状態。「キミはやらなくていいよ!」の声がかかり、結局寂しそうに待機していました。

アンティークフェアーで買い付ける」でも触れましたが、これまでは手が出なかったサイズの巨大アルモワールを買い付けることができたのもポーターたちのおかげ。これからもよろしくお願いします!

さて、買い付け終盤の倉庫はどのような状況になっているでしょうか。梱包前の買い付け商品がそこここに置いてあります。というか、あちこちに散乱しています。

まずはコンテナ前からいきましょう。

シャビーな食器棚とチェスト、コンテナが置かれている契約倉庫。

右側のチェストのペイント、素敵だと思いませんか?うっすらとスカイブルーが透けて見え、最高の状態です。シャビーシックの極致と言えるでしょう。

アルモワールほどではありませんが、食器棚もかなりのビッグサイズです。上段下段が別パーツになっていますので自分だけでも運べなくはありませんが、何せ取扱要注意のガラスもの。フェアー会場から倉庫までの輸送でもしっかり梱包しなければなりません。

壊れやすい品をダメージを与えずに運ぶのはそれなりのテクニックが必要です。また、その準備にはかなり時間がかかります。

輸送中に振動で壊れないようにしっかり荷台や他の商品に固定しつつ、容量が限られている荷物室を効率よく利用できる配置で積み込まなければなりません。

ポーターたちのおかげでこの作業からも解放されて、本当にありがたい限りです。

この日荷下ろししたアンティークたちをもう少しお見せしましょう。

契約倉庫に並べられてアンティークの数々

前々シーズンに投稿したデコラティブアンティークに関する記事の反響が大きく、デコラティブなものをもう少し多く買い付けてほしいというリクエストをかなりいだだきました。そのご要望にお応えするため、今回はブロカント系商品の比率がやや少なめになりましたので、あらかじめご了承ください。

当店には「シャビーシック」というメインコンセプトがあり、これまではデコラティブなものでもできるだけシャビーな風合いがあるものを中心に買い付けていました。

今回はシャビー系から外れたツルツルピカピカ系のアンティークも一定数買い付けましたので、ツルピカファンの方はぜひ楽しみにお待ちください。あ、私の頭じゃないですよ、とつまらないギャグ。

ツルツルピカピカ系のデコラティブアンティーク
※帰国後に撮影したものです

いずれの品もまだ日本にそう多くは入っていないスタイルのものです。本物のフランスアンティークを日本の皆様にご紹介するという当店の理念には当てはまる品々ですので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

シャビーシック系アンティークも、こういったデコラティブなツルピカアンティークも、決して日本で広く人気のあるスタイルではありません。少数のファンの方々はいらっしゃいますが、ビジネス面で「マーケット」と言えるほどのボリュームはありません。

半分フランス人として、フランス現地で認められている本物がどういものなのかを日本の皆様に知ってほしいという情熱から、言葉通り利益度外視でこの仕事を続けています。

そういえば某元アンティークショップオーナーから「自分が欲しいものだけを買い集めてきたような品揃えですねぇ」と言われてしまったのを思い出しました(汗)

日本ではあまりにもマイナーなスタイルの品ばかりなので、そう感じられたのでしょう。

日本で人気のあるインテリアスタイルの中では確かに異質ではありますが、雰囲気の違ったアイテムを一点だけでも取り入れていただくと、個性的で尖ったインテリアになりますよ!

後はあなたのセンスを少しだけプラスしてコーディネートしてくださいね。

私はもちろんブロカントな品も大好き。特にショップ、飲食店の什器としてかなりの優れものであると言えるでしょう。だれがコーディネートしてもとりあえずそれなりの雰囲気を創り出すことができるということが一番うれしいポイント。

みな似たような雰囲気になってしまうというウィークポイントもありますが、ちょっとした異空間を簡単に作り出せる上に、多少キズがついても気にならないという隠れたメリットもあります。

ブロカント品はショップ什器として超お勧めなアイテムです。

ブロカント、古道具と言えば蚤の市。今回もいくつかまわってきました。

プロヴァンスの蚤の市風景。ブロカントな家具や雑貨が並んでいる。

フランス人の日常生活に根付いているブロカントな雑貨や家具を見て歩くのは楽しいものです。

じっくり探せば蚤の市でもしっかり時代のあるレア品を見つけることができます。掘り出し物というやつです。

新品でなくていいからとにかく安いものを、とメルカリ的に利用している一般客が蚤の市のメイン客層ですが、掘り出し物目当てに訪れるプロフェッショナルもちらほら居ます。

今回の買い付けでは、美しいリングとブローチ数点を購入することができました。外部機関による宝石の鑑定をしていらっしゃらない売り手さんもいらっしゃいますので、蚤の市などでアンティークジュエリーを購入するには、知識や経験が不可欠。まずは最低限の真贋を見分ける目を養うことが大事です。

ちなみに当店では、仕入れたジュエリー類は必ず外部の鑑定機関に出し、ダブルチェックを行っています。最も信用できるのはやはり最先端の鑑定機器。もちろん石の種類によってはルーペや顕微鏡でインクルージョンをしっかり観察したり、簡易屈折系やチェルシーフィルターなどで検査することによりそこそこの精度で鑑定を行うことはできます。しかし、100%確実な結果を出すには、プロ仕様の屈折系、分光器や旋光計などを組み合わせて行われる鑑定が必要です。これらの高価な機器を一式揃えるのは個人や小規模企業ではまず不可能。いくら知識・経験・資格があっても、こういった本格的な機器を駆使することなく多様な宝石群についてそれぞれ確実な鑑定結果を出すことはできません。また、機械というものは人間の思い込みや都合の良いバイアスがかからない客観性のあるところもいいですね!

時間制限のない環境でゆっくり掘り出し物探しできるのはありがたいことです。また、蚤の市で仕入れたプチ雑貨類は日本の皆さんに喜んでいただけることが多く、ビジネス抜きでお土産代わりに持ち帰っているという側面もあります。

蚤の市については「フランスの蚤の市」で詳しく解説していますので、よろしければご覧になってみてください。

今回はPICHONのアトリエにも顔を出してきました。このところメール注文が続いていましたので、アトリエを訪れるのは久しぶりです。

CERAMIQUE PICHONアトリエの外観
CERAMIQUE PICHONアトリエの中。製作途中の食器などが大量に並んでいる。

広いアトリエの中に制作途中の食器や花瓶などがぎっしり並んでいます。7代目当主のChristopheが一人で作っているとは信じがたいです。

CERAMIQUE PICHONのアトリエ内部。乾燥が終わり、釉薬塗布後に焼かれ色付けされたものもちらほら見える。

カラフルな完成品も見えるコーナーにやってきました。コルベイユも展示されています。Pichonと言えばコルベイユ(Corbeille)、コルベイユと言えばPichon。

コルベイユをご存じない方がほとんどかと思いますので、以前蚤の市で掘り出したPichon Corbeilleのアンティーク(ブロカント)品をお見せしましょう。フルーツなどを載せて飾ると素敵なインテリアになりますよ。

CERAMIQUE PICHONのアンティークコルベイユ(Corbeille)
Corbeille

気になる品をいくつか見せてもらい、そのままアトリエで注文。いつもは和やかな雰囲気のChristopheですが、さすがにこのときばかりは真剣な顔。

7代目当主Christophe Pichonが当店の注文をノートに書いている。

次回は注文通りの数を送ってくださいね!頼んでいないものを入れないでくださいね!まあフランス人、しかも南仏人なので多少の誤差は織り込み済み。

ということで、今回の買い付け模様をお伝えいたしました。

それではまた近いうちにお会いしましょう、à bientôt !

Raphaël

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