アンティークフェアーで買い付ける

Bonjour 皆さん!

プロヴァンスで元気にアンティークやブロカントを買い付けております。

『今回はとても楽です』

おお!これまでの買い付けとは打って変わって前向きなセリフで始まりました。一体どうしたのでしょう。

楽になった主な理由
  • アンティークフェアーではポーターたちが買い付け商品を運んでくれるので、身体も楽だし終了時刻まで買い付けに専念できる。
  • そもそも買い付け量が少ない。(通常の半分強。2月の渡仏である程度商品を買い付けストックしているため)
  • 小型のバンをレンタルしたので運転が楽。

細かいことを言い出すと他にも「季節がいい」とか「先々月に渡仏したばかりなので、緊張感が少ない」とか「腰の具合が良くなりつつある」とか、直接フランスに関係ないことも含めていろいろあるのですが、先に挙げた三つが主ならくちん要因です。

おかげさまで日々満面の笑みを浮かべております。たまにはこういう買い付けがあってもいいですよね。

友人のアンティークディーラーMaelが満面の笑みをたたえている

おっと、これは前投稿にも登場した友人のMaëlでした、失礼いたしました。でもまあ私の顔もこんな感じでニコニコしています。

買い付けに費やす時間が少なくなりますので、これまでは「1日/1買い付け」としていたプロヴァンスの村・町巡りを2~3日に拡張できそう。少し気が引けますが、数年に一度のことです、お許しください。

さて、ポーターさんたちに商品を運んでもらうことになったプロ向けアンティークフェアーに話題を移しましょう。

プロ向けアンティークフェアーについては「プロ向けアンティークフェアーってどんなもの?」「プロ向けアンティークフェアーでの買い付け方法」などで取り上げていますので、まだご覧になっていない方はアクセスしてみてくださいね。

それでは何日か前に参加したプロ向けアンティークフェアーの買い付け光景をご紹介いたしましょう。またか!なんて言わないでくださいね、買い付けブログなので。これまでお伝えしていない新しい情報も追加していきますよ。

AM6時前に現地到着。いつものように暗闇の中を駐車場に入ります。朝早いですが、滞在しているコンドミニアムが比較的会場に近いため、しっかり睡眠をとることができました。

プロ向けアンティークフェアー会場の駐車場。早朝のためまだ真っ暗。

ここは会場の第一駐車場。一番乗りではありませんが、それでも10番以内には入っているようです。フェアー開始までまだ2時間以上ありますので、とりあえずラジオを聞いて時間をつぶします。

過去の投稿で、効率良く買い付け商品の運搬をするために出来るだけ出入口近くに停めましょう、というTIPSを何度かお伝えしました。実は駐車位置については、もう一つ気にしなければならないポイントがあります。ポーターたちに荷運びをしてもらう今回もこれだけ早く来場しているのはこのポイントを意識してのことです。

商品ピックアップ&運搬の効率化に比べるとプライオリティは下がりますが、スムースに駐車場を出発できる場所に停めることもある程度意識する必要があるのです。

会場によってはフェアー終了時刻からしばらくの間は駐車場が大渋滞し、1時間以上動けなくなることもあります。時間に限りがある買い付け滞在では、たとえ1時間でも節約したいもの。その日急ぎで移動しなければならない予定がなくとも、早めに帰宅してしっかり休息し、翌日以降のハードな買い付けに備えることも大切です。

でもなぜそこまで渋滞するの?と疑問に思われる方も多いでしょう。ここは適当王国フランス。駐車スペースを線で区切っていない駐車場では、多くの人が他人のことなどお構いなしに好き勝手な場所に車を停めます。

大型バンもたくさん来場していますので、適当な駐車は致命傷。フェアー後の出発時間帯には「そこどけよ」「いやオマエこそ」みたいな状況になり、大渋滞が始まります。

フランス人だけではなく、某大陸のバイヤーたちも他人など居ないかのような停め方。開門前ぎりぎりの時間に来場して、「前の車出れなくなるだろ、そこに停めるんかい!」と心が叫んでしまうようなあり得ない場所に駐車してしまうこともあります。

ではどういう場所に停めればいいのか?これは少し面倒です。車の出入り口と買い付け商品を運び入れる場所が異なる会場もありますし、出入口の幅などにも影響されますので、あらゆる会場に通用する正解というものはありません。さんざん前振りをしておいて恐縮ですが、何度か経験してコツをつかんでください、としか言いようがありません。。。

開始時間が近づきましたので正門(メインゲート)前に移動し、開門を待ちます。

プロ向けアンティークフェアー会場の屋外売り場。開門前はまだ商品が並べられていない。

上の写真は屋外出展場所の一部。この会場では開門前の商品陳列を禁じていますので(許されているのは車の搬入のみ)、今はまだガランとしています。

出展者も私たちバイヤーと同様メインゲートの外で開門を待ち、開門後に商品を並べ始めなければなりません。門が開くと同時に自分の売り場に向かって走り出します。

少し時間を戻しましょう。きな臭い社会情勢のため、セキュリティー管理はいつになく厳しいものでした。検問所では通常のプロフェッショナルチェックに加え、身体&持ち物チェックも行われます。

セキュリティードッグを連れたガーディアン

ピリピリした感じのセキュリティードッグを従えた警備員が開門前の会場を見回り、怪しい人が居ないか、不審な物がないかチェックしています。前投稿に登場したシェパードとは随分顔つきが違うなあ。

そんな緊張感のある開場前の風景ですが、いったん正門が開き買い付けが始まると、いつものように激しい争奪戦が繰り広げられます。

さて、「争奪戦」という言葉はどのような状況を指すでしょうか。なるべく早くお目当ての品を探し出す、という早い者勝ち的な動きが最初に来ます。しかしそれだけではありません。バーゲンでワゴンに群がるのとは少し違います。あれ?昭和な表現?

買い付けたいと思う商品を見つけることはあくまでも第一歩。実はそこからが本当の勝負です。次は何だと思われますか?

そう、『価格交渉』です。

プロ向けアンティークフェアーに来場するバイヤーは皆プロフェッショナル。当たり前のことですが、自分が想定する売値に見合ったコストでなければ絶対に購入しません。「なんか高いけど素敵だから買っちゃおうかな~」的なノリは一切ありません。

プロフェッショナルなのは出展者も同じ。高い出展料と移動・運搬にかかるコスト(お金、時間)に見合う価格でなければ絶対に売りません。もちろん例外はありますが、ベースはあくまでもコスト、利益です。

だからといって、価格を尋ねて合わなければそこで終わり、1か0ということでもありません。それぞれの価格(売値、買値)にはある程度の幅がありますので、その幅に収まる落としどころを探して交渉が始まります。

フェアーでは限られた時間で大量の品を売り買いしなければなりません。蚤の市のようにまず売り手が倍以上の価格を吹っかけて、そこからどれだけ落としていくか、のような悠長なことはあまり起きません。みな忙しいのです。

どのように交渉するのが望ましいのか、その他交渉の詳細に関しては、いずれまたじっくりお話させていただくこととしましょう。

この日の会場の一コマです。

たくさんのアンティークが陳列されているプロ向けアンティークフェアーの屋内会場。大きな像も販売されている。

画像中心に2体並んでいる像が目を引きますね!大きな飲食店のエントランス回りに置けばかなり個性的なファサードが作れそうです。

以前、ホール内と屋外では販売されている商品に大きな違いがあることをお伝えしました。ホール内はアンティーク、屋外はブロカントがメイン。これはあくまでも大まかな分類で、例外もあります。

例えば次の写真のように、屋内にブロカントなテーブルが並べられていることも。

ブロカントなテーブルなどが並べられているプロ向けアンティークフェアーのホール内売り場。

プロ向けアンティークフェアーでは時間的な制約があるため、全ての売り場をじっくりチェックすることはできませんが、何度か訪れているうちにどの場所でどのような品が販売されているのか判るようになっていきます。

この知識は広い会場で買い付けをする上で貴重なものですので、出来るだけ意識して身に付けていくようにしましょう。

プロ向けアンティークフェアーの魅力は品数だけではありません。蚤の市などでは入手できない大型商品がふんだんに売られていますので、買い付ける品の選択肢がかなり広がります。

この日は巨大なアルモワールや大きな壁かけ天使ミラーなどをゲット。プロ向けアンティークフェアーならではの買い付けができました。

シャビーホワイトのアルモワール
天使のレリーフが付いたアンティークミラー

自分で商品の運搬をしていればアルモワールには手が出なかったでしょう。気楽に超大物買いができるのはポーター利用の嬉しい副産物です。

それではまた近いうちにお会いしましょう、à bientôt !

Raphaël

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