出会い

Bonjour 皆さん!

フランスの滞在もいよいよ残すところあと一週間となりましたが、今回も新しい出会いや再会がたくさんありました。

フランスの友人ディーラー達、ビジネスパートナー、フランスで頑張ってアンティークの仕事をされている日本人の方など、皆さんとても個性的で素晴らしい方ばかりです。

出会いはもちろん人間だけではありません。アンティークの仕事に携わる人間にとって最も大切なアンティークとの出会い。カタログなどで注文できる既製品と違い、一点もののアンティーク・ブロカントは、皆さんに喜んでいただける素敵なアイテムを見つけ出すことが最も重要な、そして困難な作業なのです。無数とも言える膨大な陳列品の中から目に適う品を探し出したり、ディーラーの方々と時間をかけて信頼関係を築いていったり、出会いを求めて地道な作業を積み重ねます。フランスに行きさえすれば探しているアイテムが簡単に見つかる、ということはないのです。フランスでの仕入れを目指す方は、この辺りのことを心して買い付けに臨んでください。

フランスの蚤の市サイトであたりをつけて今朝初めて訪れた蚤の市は、そのサイトに記載されていた店舗数ほど売り手がおらず、期待外れでした。ネットなどでのリサーチは重要ですが、「盛った」情報も多くありますので、気を付けましょう。プロフェッショナルな方から仕入れた情報が一番あてになります。

田舎町の蚤の市

ここでもキーポイントは人間関係。フランス買い付けを目指される方へのアドバイスNo.2、片言でも結構ですので、まずはフランス語を話せるようになりましょう。英語を話す売り手さんもいらっしゃいますが、フランス語オンリーという方も少なくありません。つたないなりに現地の方と(価格交渉以上の)コミュニケーションが取れるようになれば、あとは時間をかけて、取引を重ねて、信頼関係を構築していくだけです。

閑散とした市を見て、こういうこともたまにはあるさ、と完全あきらめモード。もちろん何か獲物が無いかと30分程度ハンティングしましたが、やはりめぼしい物は何も見つかりません。実はその後大逆転があったのですが、それはまた後ほど。

せっかく早朝から1時間半かけてこの町まで来ましたので、帰る前に少し町をぶらぶら歩きました。こちらはとあるpâtisserieの店先です。出来立てタルトがいくつもディスプレイされています。上に乗せたフルーツやメレンゲが美味しそう!

ウィンドウに並ぶタルト

生地で上も包むパイが中心のアメリカとは違い、フランスは基本的にタルト文化。日本のようにこぢんまりとした一口サイズではなく、ほとんどがホールケーキの大きさで作られています。さすが庶民のスイーツ、荒々しい雑な?作りがかえって食欲をそそりますね!そういえば私もタルト作りにはまっていたことがあり、一時期いろいろな種類のタルトを毎日のように作っていました。

ぜひ本場フランスで美味しいタルトを食べてみてください。パリではマレ地区の”Le Loir dans la théière”、ボン・マルシェ近くの”Mamie gateaux“がお勧めです。

次に気になったお店。こちらで売っているのはジャガイモとニンニクと唐辛子のみ。たしかに相性の良さそうな組み合わせではありますが、なぜこの三種だけなのか、今一つわかりません。ご存知の方がいらしたら教えてください。

屋台の野菜

さて、話がいきなり飛びますが、ここ数日頭を離れないことがありました。数日前のアンティークフェアで、貴重な古い版画を買い逃してしまったことを日々後悔していたのです。150年~200年くらい前の古い版画は非常に繊細で美しいのですが、なかなか入手が難しく、これまでは出会えば必ず仕入るようにしていました。ところが、先日のフェアで出会った版画は想定よりも価格が高く、泣く泣く購入をあきらめたのです。利益が全く出ないことを考えるとプロとしては当たり前の判断なのですが、出会いが全てのアンティーク仕入れ、やはり買っておけばよかったのではないかと、その後自問自答が続いていました。

しばらく町を散策した後、念のためにもう一度蚤の市に寄ってみました。すると、なんと奇跡的に数日前のアンティークフェアで版画を買い逃したペーパー系アンティークディーラーの方を発見!
店を広げるのが少し遅い時間になったようです。

18世紀のフレンチアンティーク版画

ここで偶然出会ったのも神様の思し召し!と10枚ほど仕入れました。プロの仕入れとしてはレッドゾーンに入る高値なのですが、ここで逃したらまたいつ出会えるのかわかりません。品揃えを大切するということで。。。

気が付けばもう夕方です。大胆に剪定されたプラタナスの木から伸びた枝が夕陽の良いアクセントになっています。

南仏の夕暮れ

それではまたお会いしましょう!

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