プロ向けアンティークフェアーってどんなもの?

Bonjour 皆さん!

私たちはフランスでアンティークやブロカントを買い付け、日本で販売しています。はじめてこのブログにたどり着いた方は、ぜひABOUTもご覧くださいね。

これまで何度かご紹介している通り、フランスでは主にプロ向けアンティークフェアーや蚤の市、アンティーク・ブロカントショップなどで商品を買い付けています。他に、知り合いのアンティークディーラーやマル秘卸ルートなどからも買い付けることがありますので、仕入れ場所は多岐にわたっていると言えるでしょう。2023年にオープンするアンティークジュエリーショップ(メゾンマエアス)に向けたジュエリーもあらゆるルートで買い付けております。2023年(予定)にオープンするアンティークジュエリーショップ(メゾンマエアス)に向けたジュエリーもあらゆるルートで買い付けております。

蚤の市での買い付けについては『フランスの蚤の市』で、アンティーク・ブロカントショップについては『アンティークショップ、ブロカントショップ』などでご紹介していますので、ご興味のある方はご覧になってみてください。また、他にも多くの投稿でフランスでのアンティーク買い付けに関する情報をお届けしています。

丸いドーム内のプロ向けアンティークフェアー会場

前述した買い付け方法の中で、プロ向けアンティークフェアーは絶対に欠かすことのできない、最も大切なものです。これなくしては買い付けが成り立ちませんので、渡仏スケジュールは必ずフェアーの開催日程に重なるように設定します。

アンティーク・ブロカントの売買が盛んなフランスでは、多くの運営主体がプロ向けアンティークフェアーを企画・開催しています。単独のフェアーを運営しているところもあれば、複数のフェアーを運営している主体もあります。

各プロ向けアンティークフェアーにはそれぞれ正式名称が付いていますが、フランス現地ではほとんどの場合、正式名称ではなく「〇×(開催地)のアンティークフェアー」と呼ばれています。この投稿でも、特定のフェアーを指す言葉として「開催地」を使用します。

また、以前の投稿では判りやすさを優先して、アンティークフェアーで販売されている方々を「アンティークディーラー」や「売り手」などと表現してきました。本投稿では、フランスでアンティークフェアーの売り手を表現するときに使用する”exposant(s)”という単語に準じて、「出展者」とします。

出展者は主にヨーロッパ各国の人々です。最も多いのはもちろんフランス人。必然的に売られているアンティークやブロカントの多くがフランスのものになります。フランスの次に多いのがスペインやイタリアなどの南欧諸国。これは南仏で開催されるフェアーの場合で、パリ近郊~パリ以北の開催地になると多少事情が異なり、英国やベルギーから売りに来る方の比率が高くなります。

少ないながらスウェーデンなどの北欧チームも各開催地で見かけます。主催者が公開しているフェアー情報には出展者の国籍が10~15ヵ国と記載されていますので、最近人気が出てきた東欧などからも売りに来ているのではないかと思われます。

出展者数は開催地によって多少異なりますが、多くは800~1,000前後です。フランスには毎回8,000近い出展者が集まるモンスター蚤の市もありますが、買い手がプロに限定されていませんので、プロ向けアンティークフェアーとしては扱いません。

出展者数の多さに驚かれたと思いますが、広い会場で開催されるため、比較的余裕のある売り場構成になっています。

プロ向けアンティークフェアーの野外売り場でバイヤーが商品を物色

「プロ向け」アンティークフェアーは、言葉通りプロのディーラーのみが入場を許されるアンティークフェアーです(アート系ディーラーでもOK)。フェアーの案内にはプロ専用という意味の”exclusivement réservé aux professionnels”という一文が記載されています。そのため、ほとんどの開催地では入場の際にプロであることの証明書を求められます。

年間開催回数は開催地によってまちまち。最小で年5回、最大で年12回といったところです。パリ近郊の開催地ではプロヴァンスに比べて開催回数が多く、比較的利用しやすいのではないでしょうか。ただし、開催地によって売られているアンティーク・ブロカントのテイストが異なりますので、どのような商品を買い付けるのかじっくり検討した上で買い付け場所を選定しましょう。

英国スタイルがお好みの方は、イギリス人ディーラーも多いパリ近郊のフェアーで買い付けたのち、イギリスに渡るという手もあります。

ここでひとつ気を付けなければならないことがあります。同じ開催地であっても、開催回によって出展者数の規模が異なる(ことがある)ということを認識しておかなければなりません。出展者数が通常の半分以下となるケースもありますので、しっかり下調べをしてから、どの開催地のどの回に参加するのかをスケジューリングしてください。

プロ向けアンティークフェアーの屋内売り場

数時間で移動可能なエリア内に複数の開催地がある場合、それぞれの運営主体が調整し、隣接した開催日を設定します。これはバイヤーと出展者の利便性を考慮してのことです。特に海外から訪れるバイヤーは、できるだけ短い日程でより多くのフェアーを回らなければなりません。買い付け対象のフェアーを一つ増やすために滞在を1週間以上延ばすことのできるバイヤーはそう多くないでしょう。フランスやヨーロッパ各地から集まる出展者にとっても事情は同じです。

一時的に関係が悪化し、主催者同士で日程調整が出来なかったことが過去にありました。その結果、それぞれ近くの開催地であるにも関わらず一週間以上開催日が空いてしまうという事態に。万一このような状況に遭遇した場合は、その時期の買い付けをあきらめた方が良いかもしれません。蚤の市やアンティークショップなどでの買い付けボリュームを増やしたとしても、買い付けを完結させるのはかなり厳しいでしょう。もちろん滞在を一週間延ばすゆとりのある方はその限りではありません。

フェアーは、幕張メッセのような展示会用コンベンション施設で開催されます。広い駐車場が必ず併設されており、多くのバイヤーが大きなバンで乗り付けます。

入場に際していくばくか入場料を払う必要のある場合もありますが、ほとんどの開催地ではバイヤーから入場料を徴収することはありません。

開場時間は午前8時からお昼頃まで。終了時間は厳密には決まっていませんが、出展者たちはお昼頃に片付けを始めますので、それまでに買い付けを終わらせる必要があります。

プロ向けアンティークフェアー、屋外売り場

売り場(出展場所)はイベントホール内だけではなく、屋外にもあります。フランスのコンベンション施設は驚くほど広大で、イベントホールが10棟近くある会場もあります。全てのイベントホールと、通路などの屋外部分が出展者で埋まりますので、プロ向けアンティークフェアーがいかに規模の大きいものであるかがご理解いただけるかと思います。

プロ向けアンティークフェアーについては『アンティーク買い付け進行中です』、『ある日の買い付け』、『3連アンティークフェアーもあと1日』などで買い付け模様を中心にご紹介しています。本場フランスのアンティークを買い付けてみたい!という方は、本投稿だけでなくこれらの投稿もぜひ参考になさってください。

いかがでしたでしょうか?フランスのプロ向けアンティークフェアーがどのように運営されているかご理解いただけたかと思います。

ではプロ向けアンティークフェアーで実際にどのように買い付けるのか?次回の投稿でその具体的な手順をご紹介する予定です。

それではまた近いうちにお会いしましょう!

Raphaël 

タイトルとURLをコピーしました