アンティークショップ、ブロカントショップ

Bonjour 皆さん!

フランスのアンティーク・ブロカントショップは多種多様で、扱っている商品の種類、価格帯、販売形態、規模はさまざまです。建具やレースなど、特定の商品ジャンルに特化しているショップも多く存在します。

一般客を販売ターゲットとしているリテールのお店は販売価格が高めで仕入に向いていないケースが多いのですが、掘り出し物が見つかることもあります。また、例えば店主が資金繰りに困っていて今すぐキャッシュが欲しいモードの場合は大幅な値引きをしてくれることもあります。買い付けをされる方は、ダメ元でアンティークショップなどの路面店も必ずターゲットにしましょう。

前シーズンでも何店かショップをご紹介いたしましたが、今回もまた異なったテイストのお店をご紹介いたします。

トップバッターはアンティーク・ブロカントドアの専門店で、写真に写っている一角の10倍近くの広さがあります。残念ながら日本に持ち帰って販売するには価格があまりにも高く、価格交渉をしてみたものの、不発に終わりました。とはいえ、デザインの優れた本物のアンティーク品が多く置いてありますので、じっくり商品を見てスタイルや時代感を勉強するのには役立ちます。写真を撮りませんでしたが、日本の方が大好きなアイアングリル&ガラス窓付きドアのストックも大量にありました。

建具専門のアンティークショップ
アンティークドアショップの店内

もちろん、手ごろな価格で販売している建具系のショップもあります。中心市街地から少し離れた場所にある倉庫スタイルのお店では、多くの場合かなり控えめな価格設定となっています。もちろん低価格なりの商品ラインナップではありますが、シャビー好きな方であれば、むしろこの手のショップの方が目に適う商品に出会える確率が高いかと思います。

建具を中心としたブロカント品があふれる倉庫

路面店を構えるためには、家賃その他それなりのコストがかかりますので、通常、路面店の価格帯は倉庫&車だけで営業している蚤の市専門ディーラーより高くなります。ところが、稀に地方の蚤の市レベルの価格帯で販売しているショップに遭遇することもあります。

次にご紹介するのは、移動中にたまたま目にした古い看板を頼りにたどり着いたブロカントショップです。

店は驚くほど広大で、かなり年配の男性が一人で運営していました。今や新しい商品が入ることもなさそうな店内は、ほぼ発掘され尽くされていて、残っているのは箸にも棒にも掛からないガラクタばかり。

広い倉庫内にあるブロカントショップ

実は上の写真はこれでも最も美しく?整っているコーナーで、他の多くの場所はさらに雑然としています。店を探検していて、この手のショップを見慣れている自分でも驚くような一角を発見しました。なんと店内のボヤ跡がそのまま放置されているのです。近寄ると言葉通り「きな臭い」です。さすが何事も大雑把なフランスというかなんというか。。。

ボヤの跡

買い付け対象となるものは見つけられず、義理で1ユーロの置物を買って店をあとにしました。年配のオーナーは気さくで優しい方だったので、残念です。

それではお口直しをしましょう!

もちろん魅力的な商品がセンス良くディスプレイされているショップもたくさんあります、というか素敵なショップの方が多いです。
これからご紹介する三つの店舗は、ラングドック・ルシヨン地方(プロヴァンスの西側あたり)のとある町でそれぞれ初めて訪れたショップです。うち1店舗は蚤の市で知り合ったディーラーが経営するショップですが、他の2店舗は通りがかりに見つけたお店で、少量ながら仕入れにも結びつきました。

まず1店目、こちらはどちらかというと高級路線のショップです。統一感のある品揃えと洗練されたディスプレイが圧巻で、お店の方によれば、アメリカやイギリスなど海外からのリピート客が多いそうです。今のところ当店の目指すスタイルとは多少異なりますが、店舗運営において参考になる面がたくさんありました。

南仏のアンティークショップ

次のショップは、もう少しカジュアルなイメージ。フランスで比較的よく見かける一般客向けのお店です。センス良い雑貨も多く置いてあり、アンティークファンだけを対象にした品揃えではありません。

オーナーの方と少しお話したのですが、ハイシーズンには観光客もたくさん訪れるようです。このお店ではアンティーク雑貨や小ぶりの建具を何点か安く仕入れることが出来ました。「観光シーズン中にはこんなに安く売らないんだけどね、今は客が少ない時期だから特別!」とのこと。一般向けのショップであっても、とりあえず訪問して交渉してみるものです。

南仏のアンティーク・ブロカントショップ

この町最後のショップは、オレンジ・赤が基調となっているブロカントショップです。こちらもアンティークファンが本物のアンティークを求めて訪れる場所ではなく、一般の人が普段使いできる身の回りの品を探しにくるところです。

このショップは20代から30代の若者数人が共同で運営しており、猫脚家具もあれば、ミッドセンチュリー系やモダン系もあり、とりあえず見ているだけで楽しい品揃えです。当店向けの商品は見つからず、仕入れには結び付きませんでしたが、ニーズ面を考えれば日本でもそれなりに人気が出そうなスタイルのお店です。

オレンジ色が基調のブロカントショップ

さて、最後に少し変わったショップをご紹介します。
滞在場所から高速のICに向かう途中に見つけたお店で、現地で買い付けてきたインドアンティークを専門で販売しているお店です! ヨーロッパでは、インドアンティークが日本よりもポピュラーなのですが、インドアンティーク専門のショップをプロヴァンスで見るのはこれが初めてです。わくわくしながら店内を見て周りました。個人的に気になる商品はたくさんあったのですが、当店はフランスアンティーク屋ですので、仕入れ対象にはなりません。

店内のいたるところにインドでの買い付け中の写真や説明文が貼ってありました。当店も海外で仕入れを行い、買い付け模様を一般に公開していますので、(勝手に)自分たちと姿と重なり親近感を覚えました。楽しそうに見えるかもしれませんが、海外仕入れは肉体的にも精神的にもハードで、多大な費用がかかる難行です。その中をこうやって何年も続けている原動力は、アンティークに対する思い入れと「夢」のようなものです。彼らもきっと同じ感覚なのだと思います。

インドアンティークショップ

フランスには、まだまだいろいろなタイプのアンティーク・ブロカントショップがあります。古いものを大事にする文化が深く根付いている国ならではですね。

またいずれ興味深いショップをご紹介できればと思います。

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