カマルグの白馬と羊飼いと南仏の風景

買い付けに関する投稿が続きましたので、ここで一息入れて、南仏で撮影した心和む風景や出来事をご紹介いたします。インターネット越しに南仏の世界に浸っていただければ幸いです。

まだ2月ですので日の出は遅く、朝は暗闇の中を懐中電灯片手に家を出ることがほとんどです。とはいえ、フェアや蚤の市が無く、ショップで買い付けをする日は出発が遅いため、家の前の駐車場から素敵な朝日を見ることができます。

プロヴァンスの邸宅と朝陽

今回の滞在場所は市街地からかなり離れた山の中にあり、農業(主にワイン用ぶどうの栽培)が産業の中心となっている地域です。
遅め出発のとある朝、バンを走らせしばらくすると、驚くべき出来事に遭遇しました!

プロヴァンスの田舎道に現れた羊の群れと羊飼い、牧羊犬

走っている道路を横切る羊の群れと羊飼いの方と牧羊犬たち!近くに牧場があることは知りませんでしたので、いきなりの出現に最初は驚きました。群れは当然のことのようにゆっくりと道を横切っていき、こちらは車を停めて待機します。非日常の出来事に遭遇し、しばらくするとなぜか嬉しくなり胸が高鳴るほどでした。
そういえば数年前の買い付けでは、Lyonからプロヴァンス方面に抜ける山の中で道路を歩く牛の群れとすれ違い、長い時間動けなくなったこともありました。フランスは酪農大国ですので、家畜たちがゆうぜんと道路を歩くのは当たり前のことなのでしょう。

もう一つの生き物ストーリーに進む前に、突然ですが海の登場です。

数年前に訪れた時に撮影した、サント・マリー・ドゥ・ラ・メール(Saintes-Maries-de-la-Mer)というカマルグ(camargue)地方の町です。カマルグはマルセイユとモンペリエの中間くらいに位置し、半野生の白馬と、アフリカから渡来したピンクフラミンゴで有名な地中海沿いの地域です。日本では「カマルグの塩」をご存知の方も多いかと思います。

前置きが長くなりましたが、ここでもう一つ今回経験した生き物ストーリーです。
Avignon近くの森の中にある大きなブロカント店を訪れた時のこと。店横の広い敷地に柵があり、敷地の奥の方を見てみると、馬が2頭放牧されていました。なんと、まさかここでお目にかかるとは思わなかったカマルグの白馬!色、姿形、たてがみなど、見とれてしまう美しさです。地中海からかなり離れた内陸の森の中で飼われているのを見ると、不思議な感じがします。

カマルグの白馬

ここでまた脈絡なく話が飛びます。
可愛い女の子が見ている川はソルグ(Sorgue)川です。マルシェや蚤の市によく訪れるリル・シュル・ラ・ソルグ(L’Isle-sur-la-Sorgue)という町でのひとコマです。この町の風景やのんびりした感じが好きで、旧市街のアパルトマンを借りて数週間滞在したこともあります。

町はソルグ川の五つの支流に囲まれており、アンティークの町としても有名です。ただし、販売しているアンティーク品はどちらかというと一般観光客向けの価格設定となっており、日曜日午前中の蚤の市と、卸レベルの価格で融通してくれる知り合いのディーラーの店以外では仕入を行うことはありません。

ソルグ川の鴨とフランスの女の子
リル・シュル・ラ・ソルグ(L'Isle-sur-la-Sorgue)の街中を流れるソルグ川

ソルグ川の水源は、リル・シュル・ラ・ソルグにほど近いフォンテーヌ・ドゥ・ ヴォクリューズ(Fontaine-de-Vaucluse)という町の湧水です。簡単に徒歩で一周できるとても小さな町ではありますが、コバルトブルー&グリーンの水源が中央にあり、素晴らしい景観を見ることができます。

Fontaine de Vaucluseの景色

日本で”フォンテーヌ・ドゥ・ ヴォクリューズ”を検索すると、「世界で一番の湧水量」と解説している記事が数多く出現しますが、これは誤りです。正しくは「フランスで一番、世界で五番目の湧水量」です。

そういえば今回はまだフランスの友人たちが登場していません&いつも一緒に買い付けをしている我が奥様もまだご紹介しておりません。下は某町で蚤の市が始まる前に待機していた近くのカフェで撮影した一枚です。向かって左から、奥様、庭系ブロカントディーラーのhaag、建具系ブロカントディーラーのFrédéricです。年齢が近いこともあり、Frédéricとはよく一緒にご飯をべにいったりしています。フランスでの仕入れを目指されている方、ぜひ現地で(役に立つ)お友達をたくさん作ってください。

カフェで集う、奥様と友達のバイヤー達

買い付けはまだまだ続きます、それではまた!

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